作品詳細

もみじ川の春
もみじ川の春昭和20(1945)年のものがたり
330円
島本伝二、在間清正、中島市太郎は国民学校の六年生でいつも一緒だ。ここ滝野川(現在の北区)は石神井川をはさんだ向こう側に陸軍の大工場施設があり、ふだんでも憲兵などが巡回している地域だ。だから、各町会を取り締まる巡査なども口うるさいし、地域の町会長椎原作蔵も、どんなことにも肩いからせて大声で命令する。三人組もう何度も鉄拳をくらった。清正も伝二も「あいつは許せない」といきまく。市太郎は、兄貴分の修平の部屋で元立教大学野球部でピッチャーをやっていたという佐伯という人に会った。その日――三人組は「石つぶて」を用意し、道沿いの崖の草むらに身を潜めて、川べりの道を通るはずの椎原作蔵を待ちかまえていた……。

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